8月の最後の休日に北アルプスの剱岳へ登山に行ってきました。
私は山が好きで、これまで毎年いろんな山へ登っているのですが、今年は漸く念願だった剱岳へ登ることができました。
昨年、焼岳への登山の帰りに私が「来年は剱岳に登りたい」と口にしたのを、私の山の師匠が覚えていて、「さっちゃん、今年は剱岳へ登るぞ」と誘ってくれました。
剱岳は昔から「針の山」または「死者の山」と人々に恐れられている山で、これまで多くの人がこの山で命を落としている日本の山で最も厳しく危険な山です。
今年もすでに9名の方がお亡くなりになり、私が登る1週間前にも1人、2日前には3人の方が死傷したというニュースを見ました。そのニュースを見てさすがに私も怖くなり、ひるんでしまいましたが、ここでひるんで行けなくなるともう二度と登れない気がして、勇気を出して覚悟を決めました。
私がここまで剱岳へ登りたいと思った理由は、約2年前映画で「剱岳 点の記」を観た時、とても感動したからです。
明治40年を舞台にした映画で、確かな日本地図を完成させるために、最後の三角点を立てるため、当時登頂は不可能とされていた前人未踏のこの山へ登ろうと過酷な挑戦をする、仕事へのプライドをかけた男たちの物語です。
映画の撮影もかなり困難だったらしく、迫力ある素晴らしい映画でした。
また多くの登山者にとっては、剱岳は一度は登ってみたい憧れの山です。
出発前の朝、私の性格をよくしっている父から電話があり「絶対油断はするなよ。それと危険を感じたときには引き返す勇気が大事だ」と言われ、その言葉を胸に出発しました。
父も若かりし時、まだ私が生まれる前に剣岳へ登ったことがあるらしく、当時の厳しかった話をしてくれました。
心配していた天気は快晴。登山日和になりました。
剣岳は日帰りはまず無理なので、一泊二日の日程です。
まずは立山の室堂までケーブルカーとバスを乗りついで行き、 そこから歩き始めました。
青く澄み切ったみくりが池を通って地獄谷を回り込んで登山口まで行きます。
地獄谷では硫黄の匂いがきつく、途中咳き込んでしまって早足で通り抜けました。
登る途中、まだあちこちに雪が残っていて雪渓をトラバースして行きました。
またあちこち可憐な高山植物が咲いていたり、天然記念物にもなっている雷鳥も見ることができました。
歩き始めて3時間余り、ようやく今晩宿泊する山小屋が見えてきました。
山小屋の後ろにそびえている山が、剣岳です。
約4時間ぐらいかかって、山小屋に到着しました。
映画「剣岳」は、私が宿泊したこの「剣山荘」を拠点に撮影をしていたらしく、山小屋の壁には俳優の浅野 忠信さん、香川 照之さん、仲村 トオルさんといった名だたる俳優さんの色紙が掲げられていました。
部屋に荷物を下ろして、外のテラスでコーヒーを飲みながら、山と山の間から顔を覗かせているいる剣岳をしばらく眺めていました。
夕方5時、お楽しみの夕食の時間です♪
山ではなんでも早く、まだ日が明るいうちからの晩御飯となりました。
揚げたてのサクサクな鯵のフライにコロッケ、山のご飯とは思えないぐらいの美味しさでした!
また温かいお味噌汁に、いっぱい歩いてお腹がペコペコだったので、白飯もまるで剣岳みたいに、てんこ盛りに頂きました^^;
みんな一緒に食堂で食べたので老若男女、また中には中国人のグループの方もいて、いろんな登山者の方と山の情報交換や、また剣岳に登った経験があるという方のお話を聞いたりして、楽しい時間となりました。
明日に備えて8時に消灯。
夜中目が覚めた時に、天気がよかったので星を見に外に出てみました。
綺麗な満点の星空をしばらく眺めていた後、明日無事に登れることをお祈りして、またベッドにもぐりこみました。
いよいよ、明日剣岳を目指します・・・。
<後編へとつづく・・・>
金沢店 外
天然木の家具 キッチン